婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

昼になる少し前、あれほど晴れていた空は、だんだん雲行きが怪しくなっていき、ついには水晶が見せたような叩きつける大粒の雨に変わっていた。


おそらく、あのまま出発していたら、何かしらの害が出ていただろう。
驚きを隠せなかった父は、私の体調を気遣いつつ、「行かなくてよかった」と漏らしていた。

さらに、翌日になって山道が土砂で塞がってしまったと言う知らせを聞いた時、父も私も本当に驚いていた。


「私の占いの力は……健在みたいね……」 



とはいえ、この水晶がなにかを映すのは、私の意思ではなかった。

何度か占いたいことを浮かべながら覗いたものの、はっきり見えたことはなかった。たいていが、もやがかかったようになるばかり。


それなのに、何気なく見ていると、急になにかの場面が見えてくる。

最初はどこか面白がっていた私だけど、それが緊張に変わるのは、それほど時間がかからなかった。