婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

最初に見た映像は、自分の部屋の中。
映し出された様子から翌日のことだと、すぐにわかった。

窓の外は、叩きつけるような大粒の雨が降っている。


「確か、お父様は明日、少し距離のある街へ出かけるって言ってたわ。でも、この雨だと山道は大丈夫かしら?」


この国に、天気予報なんて存在しない。
人々は、空の様子や風の吹き方、生き物の様子などからその後の天気を予測していた。

その予測から、父は翌日が晴れると判断したのだ。


「止めないと……」


しかし、10歳の娘の言うことなんて、重く受け止められるわけがなかい。朝になって広がった青空に、父は「降りそうにもない」と、出かける準備を進めてしまう。

焦った私は、もう最後の手段だと、体調不良である演技をした。心細さを訴えて寝込んでみせたのだ。

これにはさすがに、娘に甘い父も慌てて、なんとか予定を延期して、一日中私についていてくれた。