婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。

「そちらの店員と、少し話がしたいのだが」


チラリと目を向けられ、思わずジロリと睨み返してしまった。
今さら、話すことなんてなにもないというのに。


「うちは、そんなサービスなんてやっとらん。どうしても話したいと言うのなら、ライラの時間を買うことだ」

「ライラ……」

「ちょっと、ドリー!!」


咎める私に、ドリーは悪戯な笑みを見せた。


「ライラは、この店の看板娘の一人。ここらでは有名な占い師だよ。占いの時間を買えば、話ができる」


いやいやいや。あくまで占う時間であって、個人的な話をする時間ではないはず。


「ならばそうしよう」


なんてことだ……
裏切り者のドリーをジロリと見れば、ニヤリと返される。

ドリーったら、絶対にこの状況をおもしろがってるでしょ……


私の意思とか心情なんかおかまいなしに、話がまとまってしまった……