溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。


「大丈夫だよ、このくらい」


ちょっとヒリヒリするけど、心配させちゃうからそれは内緒。


「顔に傷つけるなんて、ほんと最低だよねっ!」


「びっくりしたよ。男の子のケンカなんて初めて見たもん」


「それより、新城くんが助けてくれたって聞いたけど……」


一緒に教室に戻ってきた新城くんは、すでに男子の輪の中にいる。


ほっぺには、まだ凪くんの唇の感触が残ってる。


わぁぁぁ……恥ずかしいっ。


「う、うん……」


私はなんとか冷静さを取り戻してうなずく。


「なんかさ、最近新城くん、乃愛ちゃんのことかまってくるよね」


「えっ? う、うんー」


実は、お弁当を一緒に食べたこともバレちゃったんだ。


っていうか、嶺亜から萌花ちゃんには何でも筒抜けになっちゃうの。