溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。


「マジで!? いいの!? やったあ」


新城くんは、子どもみたいな無邪気な笑みを見せた。


どくんっ。


そんなギャップに、さっきから胸の高鳴りが止まらない。


「じゃあ、次はたまごサンドいただくわ」


そう言って、たまごサンドを取って口へ運び、


「んー! うまい!!」


大げさに声を上げたけど、悪い気はぜんぜんしない。むしろ嬉しい。


家族に美味しいって食べてもらえるのももちろん嬉しけど、それ以上に嬉しい気がする。


「そういや、この間は急に泊まらせてもらってごめんね?」


急に話題がかわり、私の頭の中もあの日に戻った。


「わ、私の方こそごめんなさい。目がすごく悪いから、メガネをかけてないと、人の顔がわからなくて……」


泥棒扱いしちゃったし、出来ればあの日の話題は避けたかったのに……と思いながら、やっぱり謝るしかなかった。