「俺さ、結婚願望がすごくあるんだよね」
へっ?
そんなこと言われて、どんな反応したらいいの?
「そ、そうなの?」
正解がわからず、あいまいに返す。
「うん。やっぱり、どこかで父親がいる普通の家庭に憧れてるのかも。自分ではそういう家庭を作ってやるんだっていう」
そう言ってくしゃっと笑った顔に、胸がきゅんとときめいた。
「俺、子ども好きなんだ。子どもと沢山遊んであげるためにも、結婚はなるべく早くしたい」
子どもと犬が好きな人に悪い人はいないってどこかで聞いたことがある。
凪くんの心の部分に触れた気がして、なんだか胸がじんわりあったかくなった。
そういう理想があるなんて、凪くんは根からすごく優しい人なんだろうなあ。
いいお父さんになりそう。



