溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。


確か、去年嶺亜と同じクラスで、すごくモテる子だって言ってた気がする。


そんな子が振られちゃうなんて。


「どうしてもダメ? 私、1年の時からずっと新城くんのことが好きだったのっ……」


それでも一生懸命頑張る女の子。


なんだか、女の子の気持ちを考えると胸が痛くなってきた。


告白するのって、どのくらい勇気がいるんだろう。私には未知すぎてわからない。


「ごめん。俺、好きな子がいるんだ」


「……やっぱりそうだったんだね。わかった、ありがとう」


女の子は納得するように言うと、その場から駆け出した。