溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。


そう言うと、私の返事も聞かずに凪くんは急いで教室を出て行った。


良かった。一緒に食べられるんだ。


単純な私はすぐに気分が上がった。


すぐに行くっていう言葉を励みに、ひとりで中庭へ向かう。


けれど今日は天気が良いからか、ベンチはどこも埋まっていた。


「どうしよう……」


私ひとりなら、どこか端っこにでも座って食べればいいけど、凪くんもいるし……。


中庭じゃなくても、どこかお弁当を食べられる場所を探しておかなきゃ……と、うろうろしていると。


「好きです、つき合ってください!」


そんな声が聞こえて、足を止めた。


うわっ、誰か告白してる!?