溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。


まだまだ先の話だけど、嶺亜と萌花ちゃんが結婚したら、私と萌花ちゃんは義理の姉妹になるんだよね。


そうなったらいいなあってひそかに思ってるんだ。


萌花ちゃんにひかれるかもしれないから、そんなことは言えないけど。


「乃愛」


呼ばれて振り向くと、凪くん。


でも、萌花ちゃんと同じように、ちょっと申し訳なさそうな顔。


もしかして──


「ごめんっ、ちょっと用ができてさ」


「あ……」


やっぱり。


お昼ご飯、一緒に食べられないのかな。


ひゅーっと、心の中に隙間風が吹いたような感じがした。


「でもさ、終わったらすぐに行くから中庭で適当に場所とっといてよ。ね、よろしく!」


「え……」