「……樹のおかげだ、俺は照れ臭くて自分で言えなかった樹の代わりに言いに来ただけだ」

「そうだったんですね、ありがとうございますっ……!!」

「っ、ああ」

 ?、なんか顔赤いな、蓮さん。

「ちょっと私尊さんと樹さんにお礼言って来ます!」
 
「ちょ、ま……コイツどうすんだよ……」

 私は悠ちゃんのことなど忘れて、蓮さんの言葉も聞かないでお礼を言いに行った。

 そして、多分その際には一番の笑みが漏れただろう。