「え?」

 思わず秋斗を庇うように、足を振り上げて蓮お兄ちゃんの攻撃を抑えた。

「蓮お兄ちゃん!この人、私の友達!やめて!」

「は?でも暴走族だろ?」

「そ、そうだけど、この人達いい人だよ?」

 いい人ってことも紛れもない事実だし、なによりこんなところで喧嘩されてしまったら大変だ。

「莉乃、ダメだよ、コッチおいで」

「ち、違うっ……!いくらお兄ちゃんでも、私のお友達を傷つけるなら容赦しないよっ……!?」

「莉乃、俺達は莉乃よりも強い」

「は!?お前なに言ってんだ!莉乃より強いヤツな——」

「わー!!!ダメダメ!!そうだね!私の方が弱い弱い!!」

 私が総長のことは、バレたくない……!

「あ!秋斗くん達!」

「お母さん!?」

「莉亜さん!」

「もー!イケメンになって〜どうしたの?雪月花って聞いたからビックリしちゃった」

「わー!!ダメダメ!!お母さんダメー!!お兄ちゃん達に言わないで!!」