「蓮お兄ちゃん!?アンタ!!バカなの!?あの人達は……!!高嶺の花!口に名を出すのも恐れ多い……。」

「あは……は……あ!!湊お兄ちゃん!」

 ゆるっと制服を着こなして、あくびをしながら歩いてみた湊お兄ちゃん。

「わ〜!莉乃〜!」

 ギュッと湊お兄ちゃんに抱きしめられた。

「あ〜可愛い〜!!」

「えへ、ありがとう、そんなことないけどね」

「あるよ。なんで地味になったのにかわいーのかわかんない……」

 はぁ……とため息をついた湊お兄ちゃん。

 ふふっ、みんなお世辞が上手だなぁ。

「……莉乃、あーん」

「?」

 口を開ければ、ピーチ味の飴を放り込まれた。

「わっ、おいち!ありがとう」

「ふふっ、いいよ。なんかあったら連絡してね。なにもなくても連絡してね。5分休みでも教室行くから」

「あ、う、うん」

 一度に色々言われて、とにかく連絡すればいいと1人思っていた。

「じゃーねー」

「ばいばい!」

「ああっ……湊様っ……!尊い……」

「あ、あの、教室っ……」

「は?自分で行きなさいよ」

「えっ……?あ、はい……」