「アイツらただじゃおかねぇ……」

「そ、そんな!!怖い顔しないでっ……!!」

「じゃあギュッてしてよ」

「へっ?」

「姉ちゃんらしく、弟をあやす為にギュッて?」

「なっ!?っ……」

 言われるがままに、大事にして欲しくなかったので、ギュッと優しく抱きしめた。

 すると、ボワッと雅くんの顔が赤くなった。

「チッなによアイツ」

 まさかそんな言葉が周りで飛び交っているなんて、知る由もなかった。