「ちょ、暴れると落ちるよ」

「下ろして恥ずかしい!!」

 すると、落ちるギリギリまで力を抜いた湊お兄ちゃん。

「わっ!?」

 思わず、湊お兄ちゃんの胸辺りの服をギュッと掴んだ。

「あれぇ?離れたくないのぉ?」

「なっ!?ず、ずるいよ!」

「なにがずるいの?」

「え、えっと……」

「っ……!?」

 あ、あれ?顔が赤い?

「しょうがない、このままダイニングルームまで行こうか?」

「へっ?!ヤダヤダ!下ろして!!」

「じゃあ誰にも見られなければよかったの?」

「へっ?、そ、それは、ダメでしょっ……」

「なにそれ、残念そうだね」

「だって……お父さんにこんなことしてもらったことあんまなかったから……」

「……あはっ、じゃあこのまま進行しまぁす」

「え?ちょっ……!?」