「樹」

「周?」

「ちょっと来て」

「ああ」

 あれは、周さん?あれ、確か歳下だったよね?じゃあくんかな。

 そう言えば、私の元家で自己紹介してもらった以来会ってもなかった?

 あまり姿を見ないし……。

「あ、周くん!」

「……樹、行こう」

「ああ」

「おい、周莉乃が呼んでるぞ」

「……」

 無視、されちゃった……。

 やっぱり、私みたいな平凡女がイケメン兄弟の中に入って行くなんて無理なのかな……。

「ごめんね姉ちゃん、アイツちょっと俺達とは変わってて」

「あ!雅くんっ!ううん、大丈夫だよ、それより、漫画、ありがとう」

「あ、うん」

 よ〜し、少女漫画見っ……。

「あ、あの、私、アレですから!!小さい頃から読んでみたかったから……!!」