周くんは、相変わらず私に甘々で、幸せな生活を送れている。

「莉乃」

 こうやって、みんな、私の名前を優しく呼んでくれる。

 小さい頃からの、私のヒーローだ。

「今日は、周の撮影見に行ってみない?」

 湊お兄ちゃんがそう可愛く私に言ってくれた。

「行きたい!!」

「ふふっ、じゃあみんなで行こうか?」

 そう言った樹くん。

「うん!!」

 元気よく返事をして、にこにこと微笑む。

「ちょっと樹、邪魔しないで。莉乃と僕で行こうと思ってたのに」

「抜け駆けすんな」

 ちょっと拗ねてる湊お兄ちゃんと、口を挟んだ蓮お兄ちゃん。

「俺も行く」

「ええ?留兄はそういうの嫌いでしょ?」

「そういう雅だって嫌いじゃねぇーかよ!!」

 ところどころで言い合ってるみんな。

「み、みんな一緒に行こう……?」

 そういうと、みんなにこにこしながら優しく、うんと言ってくれた。




 周くんの撮影現場について、スタジオに入らせてもらった。

 パシャパシャと鳴り響く、カメラのシャッター音に、ライトに照らされて、カッコいい周くん。

 思わず見入ってしまった。

 王子様みたい……。

 私は1人見惚れていれば、お兄ちゃんたちは、たくさんの女性に絡まれていた。