『俺も、そんなこと思ったことない——』

 留のその言葉を遮るように、四時のチャイムが公園になり響いた。

『……もう帰る……』

『……!また明日、おんなじ時間にここ集合!』

 少女は軽く頷いて、どこかへ去っていってしまった。

 これが、彼ら兄弟と、少女、莉乃の物語の話である。

 次の日も、その次の日も、ずっと会って、少女、莉乃の傷を埋め始めた兄弟達と、感情を取り戻してくれた莉乃。この時から、彼ら兄弟はずっと莉乃に惚れていた。だけど、1人だけは……莉乃のことが、いや、莉乃が好きになってしまっているものがいた。

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