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 莉乃は、昔から感情を失う状態になったとしても、“怒り”という感情だけはある。

  その状態になると、世界の全ての色が白黒になってしまう。

 でも、それを代償に、“世界が遅く”感じるようになって、“もっと早く動かないと”という感情のせいで脅威のスピードが出る。

 しかし、本人はそんなの望んでいないし、自覚もしてない。

 おまけに、そうなってしまえば、幼い頃の記憶、トラウマが蘇り、父親と母親を助けなければということに脳が洗脳されてしまう。

 神々から力をもらった最強少女は、実は一番孤独なのかもしれない……。

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