天然お嬢と双子の番犬さん



──────和!!

バシッと腕を叩いた。


問題起こすなって言ったでしょ!
ええいっ!こうなったら…!!


大きく挙手。



「私が答えます!」



答え分かってるし!

先生の顔が何故か濁る。


「和、答えが分からないみたいなので!私が答えます!」

「えー…っと五十嵐さんは頭が良いのでー…」

「え!ありがとうございます!じゃあ書いてきますね!」

「え、あ…はい…、」


やったー!
先生に頭良いって褒められちゃった!


ルンルン気分で黒板に解き方と答えを書いた。


「先生!出来ました!」

「あ…はい、正解です…」


小さい声だったけど。正解って言ってた!やったね!


席に戻ると和が私に向かって微笑んだ。



「ありがと、花」



何のこれしき。いつもは和と湊に助けてもらってるからね。

実はちょっと嬉しいの。



「和の事助けるのは初めてだよね?えへへ、初めて記念日だね」


「ンン゛」



ちょっと大きな和の咳払いが教室に響いた。