「なに言ってんですか。
 なにも余裕ではないですよ。

 むしろ、先生に言われて、ちゃんと毎月検診に行ってるんで。

 毎月診察台に乗らねばならず……」

 ああ、なんてことしてくれたんですっ、来島さんっ、と桃は頭を抱える。

「来週検診なことを思い出してしまったではないですかっ。
 ああ、検診が来る前に、世界が滅びないでしょうかっ。

 いえっ、それは大袈裟ですねっ。
 歯医者に隕石が落ちないでしょうかっ」

「……いや、どっちみち大袈裟なうえに、それだとあんたの愛する先生が死ぬけど」

「先生や患者さんたちが外に出た隙に、隕石が落ちて、器材が全部ぶっ壊れないでしょうかっ」

「それだと、あんたんちに借金ができるわよね」

 高いんじゃないの? レントゲンとか、と言われる。