電話をかけた相手は、10年来の親友――双葉。

 話していなかったここ2、3週間の話を全てすると、さすがに驚いていた。でも、楽観的な彼女は話も早く、すぐに会ってくれることになった。


「友達、もう来る?」

「はい。ただ、ビックリしないでくださいね。」


 コーヒーを飲みながら、近くのカフェで待つ私たち。

「あっ。」

 話していたのも束の間、双葉がお店に現れた。入ってきて、すぐに気づく。相変わらずの服装をしていたから。

 原色カラーの目立つ派手な格好。さらさらのショートヘアの隙間から見える、大きな輪っかのピアス。イギリス人とのハーフで、顔立ちもとにかくハッキリしている。

「えっ、めっちゃイケメン!うっそ、やば!!」

 そして、相変わらずのこの喋り方。


 彼女も私たちに気づき、近づいてくるなりこの反応。その勢いに引いているのにも気づかず、私と並んで座る千秋さんに目は釘付け。

「電話で大体の話は聞いたんですけど、まさか相手がこんなイケメンだと思わなかった!」

 興奮気味に、ペラペラと喋りだした。


「なんか、意外な友達だね。」

 こっそりと耳打ちしてくる彼と目を合わせながら、思わず苦笑いを浮かべた。