「……っ」


今日知ったばっかりで、何も知らないと言ってもいい場所、トラオム。

そこで日が沈んで、夜になって、ひとりになる。

家に帰れないことが嫌でも突きつけられる。


ようやく痛感して、わたしは涙を瞳に浮かべる。


「うぅ……」


誰もいないのをいいことに、ついにわたしは声を出して泣いてしまった。


ひとりぼっちがこんなにも悲しいなんて思いもしなかった……っ


しばらくの間地べたでうずくまって、ずっとずっと泣きわめいた。


そうしている時だった。


涙ぐむわたしの視界が突如、明るくなった。

立ち上がって呆然としているうちに、夜がどんどん更けていく。


一体どういうこと? 何が起きたの?


わたしはその光の中心を目指すべく歩き出す。