ヒナノを狙う騎士団。

私はヒナノを守るために攻防している。


ヒナノも何もやってねーって言ってるし私はそれを信じてる。


「アランっ!!」

「え……、っ!?」


大好きなユラハの声にいち早く反応して後ろを振り向くと、騎士達が襲い掛かろうとしていた。


しまっ……後ろまで注意しきれなかった……っ


「イメール・エッフェロー……っ」


とっさに呪文を唱えてももう遅いと気づいて、途方に暮れてしまった。

私には、攻撃されて痛みを待つ他なかった。


──だから最初、何が起きたのかわからなかった。


「ユラハ……?」


私の前に立って、気づいた時には視界が鮮血の鮮やかな赤に染まっていた。


「ユラハっ!!」

「アラン……だいじょ…ぶ、だから……」

「ああ……」


情けなく声が震えてしまって、今度こそ絶望した。


──最愛のユラハが死んでしまうと。