「グレン様、お怪我を……早く医者に」
「触れるな!」
ルネリアが慌ててグレンの腕に触れようとすると、グレンは怒鳴りつけ、これ以上ないほど強い瞳でルネリアを睨み付ける。
「心配など不要だ。これは私のものではない。戻れ」
ぞっとするほど凍てついた声色に、ルネリアの動きが固まる。グレンは一瞬複雑そうに顔を歪めると、拒絶するようにルネリアに背を向け、小屋へと進んでいく。
ルネリアは、グレンの言いつけを守るように城へと足早に戻っていった。その足音を聞いて、グレンは安堵しながら息を吐き、袋を握りしめる力を強め、地面を踏んでにじるようにして蔵へと向かう。



