主人は、自分のことを考えてくれている。そう思うと同時に、感謝を伝えると顔を暗くする主人に対し、仕事で役に立つことは出来ないかとルネリアは仕事への渇望を強くしていった。だからこそ与えられた仕事は完璧に、仕事を任せられるよう信頼されることが先決だと考え、毎日与えられた仕事に全力を注いでいた。しかし、それでも足りないと感じることも、また事実であった。
「もっとグレン様の役に立てることはないかな……」
ルネリアは各部屋の行き来を許されている。しかし昨日廊下の掃き掃除をしたところ、「まだそんなところはしなくていい。今日の掃除量を超過している」とルネリアはグレンに窘められた。
(私は体力がないと思われているのかもしれない……)
城に到着して、即座に寝かしつけようとする様子、そして疲れをとって風呂に入れと促すグレンを思い返し、ルネリアはその結論に思い至った。きちんと体力があることを示すにはどうしたらいいんだろう。彼女は不在の主人の部屋の執務机を見て、考え込む。



