【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 そんなルネリアの掃除に命じられない部屋……厨房や手洗い、風呂場であったが、どうにも毎日清掃がされている様子だとルネリアは感じていた。この城にはルネリアとグレンしかいない。使用人である自分が掃除をしていない場所は、つまり主人であるグレン自らが掃除をしていること、ルネリアはグレンに問いかけたが、「私にそんな暇はない。きちんとなるようになっている。お前の気に留めることではない。この件に触れるな」との一点張りで、答えは得られなかった。

 ルネリアは毎日、グレンの作った食事を取っている。初日は机に並びきらないほど大量に、そして豪勢に作られていたそれは、次の日にはルネリアの胃袋を慮った量に減らされ、そして今やルネリアの好むようなやや質素で、庶民的なものに落ち着いた。

 食事のとき、グレンはルネリアをものすごい形相で睨んでいることが多かったが、きっと自分のことを見て考えてくれているのだろうとルネリアは推察している。