そして毎夜入ることを命令された風呂も、広間ほどの大きさであるというのにその清掃を申し出ればグレンは首を横に振る。「お前は風呂が滑りやすいということをよく理解しておくべきだ」と言って、取り合わない。
さらに各国の石鹸と香油が取り揃えられた棚たちはきちんと整理され、整える隙がない。それどころかルネリアが石鹸や香油に手をつけていないことを知ると「気に入らないなら早く言え」とグレンは全てを総取り換えした。
ルネリアはどう見ても未使用の新品を自分が使う気になれなかっただけであったが、それをグレンに伝えると「なら使え、使わなければ合う合わないも分からないだろう」と吐き捨てるように言ったのだった。
「この屋敷での規律は俺だ。この屋敷に仕える以上、私の言うことには従ってもらう」



