【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 使用人の仕事というものは、様々だ。雇う使用人の種類によって、その仕事内容は変わってくる。しかしこのメアロード家において使用人はルネリアただ一人。それを知っていた彼女は、自分は様々な仕事を任せられるのだと考えていた。

 しかし実際、食事は全て主人であるグレンが用意することが決められていた。主人の作る料理は手本のような料理で、ルネリアはそれを気に入り素晴らしいものであると感じたが、二人は主従関係にある。

 申し訳ないとルネリアが調理を申し出ても「勝手のわからない厨房は危険だ」と言ってグレンはルネリアを厨房に立たせない。そして「一緒に食べるほうが効率的だ」といって、ルネリアを自分の食事の席に同席させるが、取り分けも配膳もグレンが行っている。

 厨房への出入りは禁じられ、ルネリアが手伝おうと思い食堂に立っていても、何かしらで目を離した瞬間に魔法のように配膳が完了されている。そしてグレンが城を出るとき、グレンは必ずルネリアの昼食を作り置いた。ルネリアがどんなにそれくらいは自分ですると言っても、毎日昼食は置かれている。