紹介所の誰しもがルネリアはメアロード家の当主に城を追い出され、今頃は折り返すように王都に向かって来ているだろうと考えていた。が、今まさに王都へ向かっているのは、ルネリアが無事にメアロード家に到着したという知らせの手紙であった。
そして当のルネリアはというと、メアロード家当主の部屋で、自身の磨き上げた部屋を磨き残しはないか見回していた。
窓際にはルネリアの部屋と同じ執務机が置かれているが、彼女の部屋のものと異なるのは、その色合いである。
グレンの部屋のものはその全てが暗色で統一され、唯一ある色はそれらを飾る細工の金や銀のみ。机はルネリアの部屋のものが純白であるのに対し、グレンは漆黒だ。そして椅子、簡素な本棚と、ベッドが置かれ、実用性以外を殺して回った部屋であった。そんな部屋をルネリアは入念に見て回り、埃や塵が落ちていないか確認をした後、大きくため息を吐いた。
ルネリアが仕事に就いて五日。彼女は思うように働けていなかった。



