「おいしい……」
ぽつりと、零すようにルネリアがそう言って、またスープを飲む。スープは野菜がよく煮込まれ柔らかく優しい味で、彼女は何度も口をつける。
「美味しいです。グレンさま。それに温かいです」
「そうか。肉も魚も食え、スープだけじゃ栄養が偏る。食え。メアロード家の仕事は厳しく辛い。食え」
「はい」
グレンに促されるまま、今度はフォークとナイフを手に取り、肉を切って口に運ぶと、ルネリアは顔を綻ばせた。
「お肉です。美味しいです」
「まぁ、肉だからな」
グレンはそう言って、「そっちは魚だぞ」とルネリアが切り分け始めた魚料理を示す。そしてルネリアが魚料理を食べ始めるのを見計うようにして、グレンは自身の皿に彼女が食べているものと同じ魚料理を盛り、食べ方を示すように食事を始めた。
「こっちのお魚も好きです」
そういえば、誰かとこうして机を囲んで食事をしたのは、本当に久しぶり。ルネリアは高揚にも似た奇妙な感覚を覚えながら、魚料理を口に運ぶ。ちょうどグレンも同じように食べているところで、「悪くないな」と頷いた。まるで一緒に食事をしているみたいだ、とルネリアは顔を綻ばせる。



