(どうしてグレン様は、こんなにも一生懸命なのだろう)
ルネリアに対して何かをしようと悩む人間は今まで母以外にいなかった。母は、自分の娘だから、家族だからという理由がある。けれどどうしてグレンが自分に対して、使用人に対してここまでするのか疑問を覚えた。そしてメアロードの家とはそういうものなのかと考え、どうしてメアロードの使用人は自分一人だけなのかとまた新たな疑問が浮かんだ。
(使用人に対してこんなに良くしてくれるなら、私よりもっと能力のある人がたくさん志願してきそうなのに)
次々に浮かぶ疑問をルネリアが抱いていると、目の前に盛り付けられた皿が差し出された。脇には小さな皿に盛られたスープ、そして一口大に切られたパンたちが皿に取り分けられている。
「食え」
ルネリアに料理を盛り付け終えたグレンは、自分の分を取り分けることなく「俺はお前が食べたら食べる。そうじゃないとお前は遠慮して食べそうもない、というかそもそも俺の食事にお前が口を出すな」と冷たく発して席に座った。ルネリアはおずおずと食事の前の祈りを捧げ、スプーンを手に取り、スープに口をつける。



