【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「朝食だ。お前がどれくらい食べるかわからない。何を好きかも分からないからな。全部出した。ああ、足りないなら追加で作るが、食べきれない分は残せ。昼にも夜にも回せるようなものを作ったからな」

 そう言ってグレンは「どれが食べたい」と取り分けを始めようとする。慌ててルネリアが自分ですることを申し出ても、首を横に振った。

「いいか、使用人の管理は私の役目だ。使用人の食事の管理をする権限も私にある。お前が何を言おうと勝手だが、私は主人、お前は使用人だ。お前の指図は受けない。私の指図を受けるのがお前の仕事だ。それで、どれが食べたい。何が嫌いだ」

 グレンはルネリアを仇のように睨みながら、さっさと言えとでもいうように促す。しかしルネリアは、何度料理を見回しても、どれが好きなのか自分でも分からない。継母と異母姉が屋敷に訪れてからは、徐々に彼女へまともな食事が運ばれることは減っていき、最後にはともに食事をする機会も消えていったからだ。