【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「いい返事だ。それと、お前はこのあと湯あみをしろ」
「えっ」
「昨日は体力も無くなっただろうと寝かせたが、これからは毎夜風呂に入れ。今朝は昨日の分だ。その間に私が私とお前の分の朝食の支度をしている。ああ、浴場にある石鹸や、香油の類は好きに使って構わない。気に入らないものがあったなら直ちに言え。それと、黒い棚に置かれているのは私が使っているものだ。使ってもいいが、男物だ。お前の髪が傷む。間違えるなよ」

 グレンの言葉、その一言一言はきちんとルネリアの耳に入った。しかしその内容があまりに突飛で、ルネリアは目を大きく見開く。

「そんな、朝食の準備が私が致します。それに私は使用人です。グレン様のお手を煩わせるわけには」
「私の命令が聞けないというのか」

 慌てるルネリアを、グレンが冷たく見下ろす。あまりの威圧に黙った彼女を、グレンは鼻で笑った。