【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「お前は明日から、私が起こすまで起きるな」
「えっ……」
「お前は私に仕える使用人なんだ。主人より早く起きようとするな。私が起こしに行くまで寝ていろ。起きるな」

 グレンはきっぱりとそう言い放つ。しかしルネリアは、グレンの言った言葉に驚いた。何故なら使用人は主人よりも早く起きろ、寝坊なんてあってはならないと学んでいたからだ。そんな彼女の驚く様子を見て、グレンは「いいか、よく聞いておけ」と高圧的に見下ろした。

「使用人を管理するのは、主人の務めだ。主人が寝ている間に使用人があれこれ動いてしまえば、その分主人の時間が拘束されてしまう。分かるか。私は暇ではない。お前は私が寝ている間にあれこれ仕事をする必要はない。寝ろ。私が起こしに行くまで眠れ」

 ルネリアは、グレンの言葉に戸惑いながらも「はい」と頷く。