【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 それまでずっと無言で歩いていたグレンが足を止める。二人で城を抜け、案内された先はメアロード家の庭園であった。しかしそこは一般的な庭園とは異なり、四方と天井を硝子で囲い、まるで硝子の城のような作りになっていて、その中に花々や植物が自然のままに植えられている。まるで自然豊かな森を一枚の額縁に切り出したかのような光景に、ルネリアは感動で、ほっと息を漏らした。

「水は、湧水が流れるようになっている。草木には特に害もなく時折虫も飲んでいるが、人間が飲んで安全とは限らない。だから飲むな。飲みたいなら城の水か、横にある井戸水を飲め」
「はい」
「毒の花や食虫植物の類はないし、こちらに害を為すような害虫は駆除している。が、見慣れない虫がいたらちゃんと避けろ」
「ありがとうございます。グレン様」