しかし。薔薇の鉢植えが突如城に追加されたことを新しい主人は不愉快に思うかもしれない。ルネリアが頭を下げようとすると、グレンは感嘆したような声で「そうか……」と呟いた。
「ならば水場へ案内しよう。ついでに、その鉢を置くに適した場所も知っている。適度に日があたり、かといって強すぎる日差しで植物を焼かない場所だ」
グレンはルネリアに背を向け、ついて来いと言わんばかりに廊下を歩いていく。彼女は言われるがままついて行き、そしてその後ろを歩きながらあることを思い出した。
「あの、グレン様」
「何だ」
「昨日は鞄を運んでいただきありがとうございました。それとあの、ベッドもふかふかで、クローゼットの、お洋服も……その、色々ご親切にしていただいてありがとうございます」



