【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約

 ルネリアがメアロード家に訪れて、次の日。

 外が薄暗く、太陽がその身を現さない頃。ルネリアはゆっくりと目を開いた。部屋はまだ色濃く影が落ち、目を凝らしながらも彼女は身体を起こし、周囲を確認する。

(ああ、私はメアロード家に来たんだ。ここが私の新しい、そして初めての職場……。

 壁には、きちんと昨日かけた侍女の制服がかかっている。ルネリアはベッドから離れると、手早く着替え始めた。真新しい服は甘い花が香る。ルネリアは静かにその匂いに心を落ち着けると、これからのことについて考えた。

(そういえば、朝、何をすればいいか、グレン様を起こしたほうがいいのかも聞かなかった……。朝、何をすればいいんだろう。仕事の内容は掃除や整理と聞いたけれど、朝のうちにしなくてはいけない場所はどこだろう……)