「竹田 碧くんっていますか。」


そうインターホンに向かって言う七瀬の背中は震えていた。


「……え~っと、僕に何か?」


「……ごめんなさい。俺の親を殺してないのに、殺したとか言って。」


「そんなの、全然いいよ。」


……ほら、竹くんは優しいし。


「でも、とても悪役にして。俺、何かします。俺ができる範囲ですけど……」


「……じゃあ、僕と友達になってください。」


っえ、


「そんなことでいいんですか。こんな俺でもいいんですか。」


こんなにネガティブになってるの初めで見たかも。


「『こんな』なんかじゃないです。……だって唯愛ちゃんを救えた人ですよ?」


……何か、泣けてくる。


「あと、僕が言うのもあれですけど、敬語なくしません?これから友達になるんですから。」


「碧くん、ありがとう。俺のことは優でいいから。」


「優くん、これからよろしく!」


今この瞬間、1つの友情の花が開いた。