「そうだ、俺と友達になってよ!」


「友達?」


「そうそう」


友達は今のところ由香ちゃんしかいない。


だから、友達になってくれるのは素直に嬉しい。


「うん、私も神崎君と友達になりたいな」


「よっしゃ!じゃあ、連絡先交換しようぜ!」


スマホを手に取って、連絡先を交換。


「よし!じゃ、また後でな、琴月!」


昨日と同じく笑顔で去っていった。


うーん、本当に明るいよね。


ああいうところ、羨ましいな……


「あいつ、私の伊鳥と連絡先交換しやがった」


「うわっ!由香ちゃんいたの?」


背後から急に由香ちゃんの声が聞こえて、びっくりしてしまった。


「私、そんなに影薄い?」


「いや、そんなわけないよ!」


由香ちゃんが影薄いとかありえない。


由香ちゃんはとっても綺麗で明るくて、皆から好かれている自慢の親友。


そんな由香ちゃんが影薄かったら、私はどんだけなの。


「ふふふ、冗談よ。それにしても、神崎って伊鳥のこと好きなのかしらね?」


「ないよ、それは!」


絶対ありえない。


だって、昨日顔合わせしたばっかりなんだよ!?


それに、神崎君みたいなモテる人が私みたいなのを好きになるわけない。


由香ちゃんはそんな私を横目で見て、ため息をついた。