「うん、久しぶり」


笑顔なんて、きっと作れてない。


声も暗いし、堅い。


そんな私を周りをどう思うかな……?



「あれ?冰室さんと琴月さんって知り合い?」


「にしては、その態度ないんじゃないー?」


明らかに敵意がある言葉。


やっぱり、今のを見たらよく思わないよね。


「髪短くしたんだね!伊鳥に似合ってる!」


「あ、ありがとう」


前は長かった。


今までこんな風に短くしたことなかったんだ。


お世辞だろうし、本当に思ってるかは分からないけど、何とか笑顔を浮かべる。


「ふふっ、また後で話そう?」


咲はにこっと明るい笑顔を浮かべて、女の子の輪に入っていった。


あっという間に仲良くなる咲。


さすが、咲……


私は誰とも仲良くしてないから、敵意を向けられるのは私で、咲は味方をたくさん作った。


これで、ほとんどの人が咲と友達。


私は孤立しちゃった。


もう会うことはないと思ってたのに……


まさか、こんな風に再会するなんて……


今の私は内心かなり動揺していて、でもそれを表には出してないと思う。


「伊鳥!」


すごい勢いで来たのは、由香ちゃん。


「由香ちゃん」


「大丈夫?」


由香ちゃんは心配そうな顔をしていた。