熱が出ても裕美さん達は看病なんてしてくれないから。


輝楽さんは優しいな……


「今日はちゃんと測ろう。体温計、どこにあるか分かる?」


「はい、あそこです」


指差したところにはちゃんと体温計があって、輝楽さんが取ってくれた。


体温を測ってみると、37度5分だった。


まだ少しだけ熱がある。


ぎり行けるかな……


「これ、学校休んだ方がいいね。学校には俺が連絡しとく」


「えっ、いやでも……」


「明らかにまだ熱があるよ。学校出て途中で熱が上がったら困るでしょ?」


その言葉に何も言えなかった。


それに、よくよく考えたら周りに迷惑かかるよね。


「そうですね。連絡お願いします」


輝楽さんは立ち上がって連絡をしてくれた。


輝楽さんにこんなにやってもらっていいのかな……?


「これでいいや。伊鳥ちゃん、今日はちゃんと安静に」


「はい。輝楽さんって、本当に面倒見がいいですよね」


私に兄がいるみたい。


「今、私に兄がいるみたいって思ったでしょ?」


「えっ……」


言い当てられてしまって、びっくりした。


私、分かりやすいのかな……


「俺、伊鳥ちゃんの兄になるつもりはないから」


真剣な目に、何言われてるのかは分からないくせにドキドキしてしまう。


な、何……


自分の妙な心臓の高鳴りに戸惑う。


これで2回目。