「─︎─︎─︎お客様? 本当にいいんですか?」

「はい、ばっさりいってください」


 それから流れるように月日が流れて早いもので3年が経った。


「あ……私に戻ってる……」

「……え? 何か言いました?」

「いいえ、なんでもないですよ」


千咲の髪に近づけるために伸ばし続けていた髪をショートにしようと思い、美容院へやってきた。


「今日はデートに行かれるんですか?」

「はい……夫と」

「そうなんですね、ドッキリですか?」

「まぁ、そんな感じです」


私はあの後、沢山沢山考えて和志さんとお付き合いすることに決めた。


『……和志さん、私と付き合ってくれますか?』

『え!? ほ、本当!? つ、付き合ってくれるの?』


和志さんはとても喜んでくれた。
 それから3か月前に彼にプロポーズされた。


『心咲ちゃん、結婚しよう』


 ガーベラの小さな花束と指輪を差し出して。