常木さんは消毒液を私の膝にかけて、少し大きめの絆創膏を手際良く貼ってくれた。
そして、救急箱の蓋を閉め私を見上げた。
「はあ」と大きいため息をついた常木さん。
「お説教はここまでにしておきます。私も大人気なかったですから……」
「……大人気なかった?」
「ええ、まあ。……つまるところ僕は拗ねていたんですよ。
あなたといったら、なかなか神社に来てくれなかったのに
来たら来たで、しばらく会っていないことになんの寂しさも感じてくれていなかったみたいですから。
拗ねたくもなります。
いつも楽しみにしていたのは僕だけだったのかって。
僕は久美ちゃんよりも年上ですけどね、それ以前にかなり嫉妬深い人間なんです」
「それは、その……」
私は言い淀む。



