項垂れる私に常木さんはなおも言葉を続ける。
「一人で安易にこんなとこ来て……。
僕は怒ってるんですよ久美ちゃん。わかってますか?
……本当に、ほんっとに肝を冷やしました。これからはこんなこと、やめて下さい。絶対です」
「は、はい……」
「もう、怪我までして、傷が残ったらどうするんですか」
「……すみません」
完全に意気消沈している私と、プンスカ怒っている常木さん。
高校生にもなって人に怒られることなんか滅多にないことだ。
だから怒られるのが久しぶりすぎてダメージがダイレクトに心臓を射抜いた。
しかも意中の人に怒られてるとは情けない。
……もう、しょんぼりしてしまう。



