乱暴にドアが閉められると常木さんは私の前にしゃがみ込み、無言で救急箱の中身を漁り出した。 いろいろ入っているけれど散らかった救急箱は絆創膏を探すのも一苦労のよう。 「あ、あの」 「なんですか」 「後をつけてきてしまってごめんなさい……」 ここぞとばかりに私は頭を下げる。 「制服で繁華街に来るなんて、命知らずなんですか? さっきは僕がちょうど降りてきたからいいものの、 そうじゃなければ今ごろひどいことをされていたかもしれないんですよ」 「……はい」