教室に戻ると、真衣と椎名がこっくりさんで遊んでいた。





最近うちの学年で流行っている、プリントの裏に文字盤を書いた、ものすごく簡易的なこっくりさんである。





「おっかえり〜久美ちん。どこ行ってたの」




10円玉に人差し指を置いたまま真衣が振り返る。



「遅かったねー」



「もう、こっくりさん、文字盤の上をドライビングしまくりで、まるで何言ってるのか分からんよ。なあ真衣?」




真衣は首をすくめて「まーねー」と、こっくりさんにはすっかり飽きたようだった。椅子の背もたれに体重をかけてゆらゆらしている。




「それで、久美ちんはトイレの旅にでてたのかい」と椎名。





「まーねー」私はそう答える。