そして昨日、聡明で可憐な彼女が、あのフユコさんのお孫さんであることを知った。 『久美ちゃん』 ───それは僕が昔、フユコさんからまるで天使のような孫がいると聞いていた少女の名前。 ついには一度も会うことなく今まで過ごしてきたが、 記憶の中の白無垢の少女と、屋上に飛びこんできた可憐な女の子が、記憶の中でぴったりと繋ぎ合わさった。