「違ってたら今から言うことは、忘れて欲しいんですけど。
久美ちゃんのおばあちゃん、小野枝 フユコって名前だったりしますか?」
「え?」
私はとても驚いた。
「おばあちゃんのこと知ってるの?」
懐かしそうに頷く常木さん。
「ああ、そうかそうか。なるほど……フユコさんのお孫さんでしたか……」
「なになに、なんで知ってるの?」
まったく歳も違うおばあちゃんと常木さんがなんで知り合いなんだろう。家も離れているだろうし接点が見つからない。
「僕とフユコさんの関係が気になりますか?」
ニヤリと口角を上げる常木さんがまるで、無邪気な小さい男の子みたいに見えた。
「あ、なんか。常木さんが意地悪になった!」
「ちょっと揶揄っただけですよ」



