妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~




 これだけ衝撃的な発言を前に前にしても常木さんはその完璧な笑みを崩さない。



それは肯定と受け取ってもいいの?



私の他にも女の人がいたの? と一瞬にしてそんな考えが浮かぶ。





「あれ、まだお伝えしていませんでしたか?

僕、この女の子とお付き合いさせてもらっているんですよ。

お見合いの件はかなり前にお断りしていたんですが、連絡の行き違いがあったみたいですね」




「で、でも弥白さんは普通の女性とはお付き合いできないはずでしょう?」


「どうやら、そうでもないらしいですよ」




 あまりの気まずさと居心地の悪さに足元を見てやり過ごしていた私だったが、
常木さんの、彼らしくないデレデレとした口調に顔を上げざるを得なかった。




「なにせ、両親公認の彼女ですから、あなたが心配するような問題もないんですよ、楓 三里さん」