まず、しっかり後ろからホールドされ身動きが取れない。
そして常木さんが首のあたりに顔を埋めるので、とてもくすぐったい。
二人で身を寄せ合っているわけだから当たり前なんだけれど、背中がすごくあったかい。
おまけにシャンプーの香りまで漂ってくる。
そんなんで眠れるはずもなく、怪談話で冷え切っていた体だったが、今やもう茹で上がっている。真っ赤っか。
「ひゃっ!」
油断していると耳を噛まれるのでこれもまた注意も必要。
一体、眠れるのだろうか。
───常木さんは自分の計画通りにことが進んだ後でネタバラシをする。彼はそういうところがある。
何気に意地悪をしてくるのだ。



